「艦隊勤務は辛いよ」創成期の英国海軍

「艦隊勤務は辛いよ」創成期の英国海軍

テームズ河の対岸から望む海軍病院・海軍大学の全景

■員数確保にロイヤルネイビーは四苦八苦

 当時の英国海軍は志願制である。青少年で自発的に海軍を志願するのは貧困層、失業者、浮浪者などのいわゆる“食い詰め者”。海軍ではあの手この手で勧誘したようだ。

 “金持ちになる方法”(How to Get Riches)という詩が1736年に作られている。『海軍に入れば、お金(wage)、食べ物(food)、ねぐら(shelter)が保証される』、さらには『怪我をすれば生涯年金がもらえ、戦利品の分け前という臨時ボーナスもある』というキャッチフレーズ。

 18世紀末のポスターでは“海軍は高給保証。月給は熟練水兵5ポンド、二等水兵2ポンド、新米水兵1ポンド”と宣伝している。

■ロイヤルネイビーは“人さらい”、組織的誘拐で欠員を補充

 戦時には志願者だけでは必要員数を充足できない。海軍では強制徴募隊(Press Gang)を組織、先ずは商船船員や漁船員など即戦力となる熟練水夫を力づくで狩り集めたという。一般水兵要員は都市の浮浪者を片っ端から捕まえたようだ。子供が夕方外で遊んでいると「早く家に帰らないと海軍にさらわれるよ」と、母親は子供を叱っていたというほど頻繁に強制徴募隊は人狩りをしていた。浮浪者の強制徴募は為政者から見ると都市の治安対策という側面もあったようだ。

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