人工胎盤や人工子宮、生殖技術は人間を「消滅」させるのか

人工胎盤や人工子宮、生殖技術は人間を「消滅」させるのか

(SvetaZi/iStock/Getty Images Plus)

前回はAmazonの顔認識ソフトからアルゴリズムの偏見、そして情報銀行について議論した。アルゴリズムによって、現実の自分とネットワーク上の自分が乖離するという現象は、今後ますます増えていくだろう。簡単な解決法が存在しないが故に、その動向に注意する必要がある。

 今回は人工胎盤や人工子宮といった、近未来の生殖に関わる技術について論じたい。昨今の技術発展にはめまぐるしいものがあるが、スマホのように、その利便性から急速に普及するものもあれば、技術的には可能であっても受け入れがたいものもある。技術が受け入れられる過程では、なし崩し的に普及するのではなく、慎重に議論を重ねなければならないものもある。今回は小説を読み解きながら、生殖技術について考えたい。

■3Dプリンターで作成する「人工胎盤」

 3Dプリンター技術の発展は、金属を空中にプリントしたり、薬品のプリントも可能とする。そんな中ウィーン工科大学の研究者達は、3Dナノプリンターと生体高分子で「人工胎盤」を再現したと報告した。

 胎盤は母体と胎児をつなぎ、へその緒を通して酸素や栄養、さらに二酸化炭素や老廃物のやりとりを行う重要な器官だ。母体が疾病を抱えていた場合、それが物質のやりとりの中で胎児にどのような影響を与えるかは非常に重要であるが、これまで胎児と母体の物質のやりとりを調査することは、胎児の命に関わることから行うことが困難だった。

1 2 次へ

関連記事(外部サイト)