極右を大統領に選んだブラジルの行方

極右を大統領に選んだブラジルの行方

ブラジル大統領選に勝利したジャイール・ボロソナロ氏(写真:ロイター/アフロ)

10月28日に行われたブラジル大統領選挙の決選投票で、極右ジャイール・ボルソナロ氏(社会自由党、PSL、55.13%)が労働党(PT)のフェルナンド・アダジ氏(44.87%)を破り当選を果たした。既成政治に怒った国民が、ついに型破りともいえる極右候補ボルソナロ氏に政権を託した。「ブラジルのトランプ」「ブラジルのドゥテルテ」が南米最大の国の実権を握った。

 しかしブラジルは、ボルソナロ氏の登場で安定していくのだろうか。一時の熱狂に揺れたブラジル国民が、その騒ぎから醒め我に返った時、自らの国が思いもよらぬ者に支配されていることを知り愕然とすることはないのか。

■アウトローゆえに「清新」

 ボルソナロ氏の勝因については前稿で指摘のとおり、「既成政党に対する国民の信頼喪失」にその本質があったことは疑いない。ディルマ・ルセフ元大統領による経済失政により、2014年から2016年までのブラジル経済は7パーセンテージ・ポイント成長率が下押しされた。多くの国民は失業の憂き目にあい、またせっかく蓄えた資産を失ってしまった。

 加えて、2014年に発覚し、現在なお捜査継続中のペトロブラス汚職事件はブラジル史上最大の疑獄事件となり、PTをはじめとするほとんどの既成政党がそれに関与していることが明らかになった。治安の悪化や政府が提供するサービスの低下もあり、もともと政治というものに多くを期待しなかったブラジル国民も、今度ばかりは既成政党に対する信頼を失った。

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