「ゴッホの複製画」の一大拠点、中国に存在する“油絵村”の実態

「ゴッホの複製画」の一大拠点、中国に存在する“油絵村”の実態

ゴッホに人生を賭けた中国人男性を描いたドキュメンタリー映画『世界で一番ゴッホを描いた男』

東京・新宿でドキュメンタリー中国映画『世界で一番ゴッホを描いた男』を観た。ニセモノ、パクリという印象が拭えない中国で、ゴッホの名画の複製画だけを描く油絵村が存在するという。なぜ、そのような村が存在するのか、どんな需要があるのか。“メイド・イン・チャイナ”の実態と、ある男の人生に驚かされる。

■複製画だけを描き続ける「画工」

「今は評価されなくてもいい。自分の心のままに描いていこう」

 映画の終盤で、画工の男性、趙小勇がそっと心に誓う場面がある。オランダ・アムステルダムで本物のゴッホの名画を目にし、衝撃を受けたときだ。

 ゴッホといえば後期印象派を代表する世界的な画家だが、生前のゴッホは世間に認められず、不遇な人生を歩んだことで知られる。そのゴッホに自分の人生を重ね合わせたのか、彼はさみしそうに、そうつぶやいた。

 「画工」とは「画家」とは異なり、複製画のみを手掛ける絵描きのことを指すという。中国南部の大都市、広東省深?市には、1万人もの画工が住む大芬(ダーフェン)村がある。1989年に香港の画商が20人の画工を連れてやってきたのがこの村の始まりで、次第に人数が増えていった。

 2004年に政府の助成を受けて施設が作られ、観光客や、絵画を学ぶ人もこの村を訪れるようになった。

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