「トランプ主義」の限界が露呈した米中間選挙

「トランプ主義」の限界が露呈した米中間選挙

(iStock.com/flySnow/Purestock)

今年の米中間選挙は、共和(上院)、民主(下院)がそれぞれ勝利し、痛み分けに終わったとする見方がある。これは的外れだ。大統領就任以来、猛威をふるった「トランプ主義」の限界が露呈した選挙でもあったことを見逃してはならない。

 選挙結果について、「下院は民主党に奪われたが、上院でわが方が過半数からさらに議席を増やした。全体では双方相討ちだ」(共和党全国委員会幹部)との指摘がある。

 しかし、これは説得力のある総合評価とは言い難い。なぜなら、共和党の上院での改選議席数は当初から民主党よりはるかに少なく、現状より多少の上積みもある程度織り込み済みだったからだ。これに対し、全員改選の下院で主客が完全に入れ替わり、民主党が議席をかなり伸ばしたことの意義は過小評価できない。

 しかも特筆すべきことは目下、アメリカの景気、雇用は着実に拡大、きわめて好調な経済状況下にあるだけでなく、内外情勢も比較的安定しているにもかかわらず、今回このような選挙結果に至ったという事実だ。本来なら、政権与党の共和党が上下両院ともに引き続き過半数を制してもおかしくなかった。その意味を改めて考えてみる必要がある。 

 「下院で勝利したことをお祝いする。同時にあなたがこれまで示してきた超党派的リーダーシップを評価したい」

 民主党の8年ぶりの下院奪回が確実となった6日深夜、トランプ大統領はただちに次期下院議長就任が有力視されるナンシー・ペロシ女史に祝電を入れた。

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