マクロンが強調する「欧州統合軍」の実現性

マクロンが強調する「欧州統合軍」の実現性

(Nerthuz/iridi/BilevichOlga/iStock)

欧州では以前から欧州の防衛を強化しようとの動きが見られる。EU内では度々欧州軍(EU常備軍)の構想が議論されてきた。最近では昨年夏「欧州防衛基金」が創設された。本年3月にはEU理事会で、有志の加盟国が防衛協力を進める「常設軍事協力枠組み」の行程表が採択された。またユンケル欧州委員長は3月8日EU常備軍の創設を提唱した。

 このような流れの中で、最近になってマクロンは欧州軍の創設の必要性を強調している。11月5日には、地元の民放ラジオ局Europe 1とのインタビューで、「中国とロシアからだけでなく米国からも自衛しなければならない」、「米国のINF全廃条約離脱の主たる犠牲者は欧州」などと述べ、欧州軍創設を主張した。11月18日にベルリンでメルケルと会談した際にも、欧州に共通の防衛体制と安全保障が必要であると述べた。メルケルは、同日マクロンとの会談に先立つ記者会見で、欧州軍の創設に向けた協力体制を取ることでマクロンと一致したとの考えを示した。

 問題は、このような欧州軍とNATOとの関係である。ユンケルはEU常備軍の創設を提案した際、EU常備軍はNATOと競合するものではなく、EUを強化するものである、と言っている。メルケルも欧州軍はNATOを補完するものであると述べている。これに対し、マクロンは、欧州は自身の手で守らなければならないと言っている。

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