名門高を育てた青春「この一品」・目にも舌にもゴージャスな“しおり丼”!

その雄しべ雌しべの部分にはワサビが王冠のごとく載っている。

 この丼を前にすれば、誰もが王者になった気になるはずだ。だから、乾杯メシとでも名づけたいくらい。価格も2000円するが、もう1品取って、3〜4名でシェアする様子を普段から見かける。なぜかといえば、ご飯と味噌汁のお替わりは何杯でも無料だから。

 しおり丼はむろん、量感と美的さのみでは語れない。サーモンといくらは親子なのだから、ただでさえ相性がいいが、そこへ割って入る納豆が意外にも合う。さらにネギトロがねっとりと舌に絡みつき、得も言われぬ旨味が口中で生ずる。

 大人になってよかったなぁ?と思うのが、これを当てにまずビールを一本、ついで日本酒を徳利で一合は楽勝でいただけちゃうこと。そのぶんご飯は軽くよそってもらいましょう。他にも肴をもらうならよけい。そう、つり舟の大将はもともと銀座と深川で和食の修業をしていた、江戸前のなんたるかを熟知した料理人なのだ。

 師匠の依頼で仕事を教えに来ていた店のオーナーが突然亡くなり、店主不在となったために後を引き継いだのが今のお店なのだという。現店名もそもそも、世話になった修業先の名だ。屋号を残してくれないか?となくなったご主人に頼まれ、店名にしたのだという。だから、国立にあっても深川なのだ。

 バブルが弾ける前はよく接待でも使われていたが、以降はそんな需要も減り、何か他の柱を考えていたところ、大学が近くにあるしと、学生をターゲットにした丼物を始めたのだそう。最初はマグロ丼などごく当たり前の丼を数種提供するだけだったが、学生客の要望やまかないをメニュー加えるなどし、いつしかそれも50種類ぐらいに増えた。

続きは WEDGE Infinity で

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