混迷する英国のEU離脱 メイ首相の真意≠ひも解く

混迷する英国のEU離脱 メイ首相の真意≠ひも解く

英大手メディアの中で唯一、12月9日付で「採決延期」を1面トップで報じた英日曜紙サンデー・タイムズ(飯塚恵子撮影)

英国の欧州連合(EU)離脱、いわゆる「ブレグジット」をめぐる政治は、主に英側での三つの「混迷」が複雑に絡んだ結果の行き詰まりである。特に、メイ英首相の宰相としての力量は、混迷の深まりに大きく関係している。英国政治の低迷がドラマチックに露呈した1週間として、2018年12月の第2週は、歴史に刻まれるだろう。(文中敬称略)

■行き詰まりの要因は英側に

 現在のブレグジット交渉の構図を、英国のメイ政権の立場から簡単に表現すると、交渉は“2正面の戦い”となっており、どちらも壁にぶつかっている。

 正面の一つは、EUとの交渉であり、もう一つの正面は、英国内での様々な立場の反対派の説得である。片方を立てれば反対側が立たず、特に英国内の説得は難航を極めている。(※ブレグジットの説明は、末尾の注釈参照)。

 首相のテリーザ・メイ(62)は、この2正面の間で板挟みのまま、新年の2019年を迎えることになりそうだ。離脱の日取りは、現時点で来年3月29日と決まっているが、それまでの快刀乱麻の解決は難しいだろう。EU側も英側も、それぞれさらに譲歩すべき点があるのかもしれない。だが、筆者のこれまでの取材や考察では、事態がこうちゃく状態に陥っているのは、ほとんどが英側の政治のていたらくのせいである。

■混迷の要因1:メイ首相

 ブレグジットをめぐる政治の動きは、2016年6月のEU離脱の賛否を問うた国民投票と、その翌月のメイ政権発足以降、停滞と迷走を極めてきたが、メイは危機が起きるたび、かろうじて乗り越えてきた。

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