米中貿易戦争が「和平」に向かう見通し立たず

米中貿易戦争が「和平」に向かう見通し立たず

(ChrisGorgio/nazlisart/Pe3check/iStock)

12月1日の米中首脳会談では、「関税戦争」の90日間の「停戦」が合意された。ホワイトハウスの発表によれば、(1)2019年1月1日に予定されていた2000億ドル相当の中国製品に対する関税の25%への引き上げを猶予し10%に据え置く、(2)技術移転の強要、知的財産の保護、非関税障壁、サイバー侵入及びサイバー窃取、サービスと農業に関する構造変革に関する交渉を開始、(3)90日以内に合意に達しなければ関税を10%から25%に引き上げる、という内容である。ただし、公式の合意文書のようなものはなく、米中それぞれが発表しただけである。

 合意を受け一時的に米中の緊張緩和への期待が高まった。しかし、すぐに米側の強硬姿勢が明らかになった。まず、「90日」の起点について、当初クドロー米国家経済会議委員長は2019年1月1日と言っていたが、ホワイトハウスはこれを12月1日と訂正した。12月1日を起点とすれば期限は2月末までとなり、ちょうど3月上旬に開催される中国の全人代の直前に当たる。これは中国指導部へのシグナルであるとの見方が多い。確かにそういう意図はあるかもしれない。中国側の反応は、外交部報道官の定例記者会見での発言や、共産党の機関紙人民日報系の環球時報の社説(12月2-4日の3回にわたって米中通商問題を取り上げている)を見ると、抑制されたものとなっており、米中間での摩擦が緩和に向かっていることを印象付けようとしているように見える。

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