埴輪が物語る古墳時代の暮らしとは

埴輪が物語る古墳時代の暮らしとは

重要文化財 《船形埴輪》古墳時代中期初頭(4世紀後葉〜末) 長原高廻り2号墳出土 文化庁蔵・大阪歴史博物館保管

大阪市平野区に広がる、約2万年前の後期旧石器時代から近世までの大複合遺跡「長原遺跡」。昭和48年(1973)の地下鉄工事に伴う調査をきっかけに、これまでに200基を超える古墳や集落跡の存在が明らかとなった。長原遺跡の古墳時代に注目した展覧会が、大阪歴史博物館で開かれる。

 会場に並ぶ約450点の展示品の中で、ひときわ目をひくのが古墳から出土した埴輪(はにわ)の数々だ。家や甲冑(かっちゅう)、盾、靭(ゆぎ=矢を入れる武具)、船などをかたどった形象埴輪や円筒埴輪が一堂に会する。

 特に直径21メートルの円墳(長原高廻〈たかまわ〉り2号墳)から出土した形象埴輪の一つ、船形(ふながた)埴輪は全長1?28・7センチあり、丸太をくりぬいた形の船底や前後正面の波切板、船内の甲板や隔壁、櫂(かい)をかける左右4対の突起など、当時の船を精巧に再現した造形から国の重要文化財に指定されている。

 このほかにも、勾玉(まがたま)や管玉(くだたま)の材料、砂岩製砥石など、古墳に副葬された玉類の製作工程が分かる出土品もある。鍛冶や漆工、土器作りなど、当時のモノづくり≠ノまつわる展示なども興味深い。

 大阪府内にある百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群と同時代に営まれていた長原古墳群。都市の地下に眠っていた古代の人々の暮らしに思いを馳せてみるのも一興だ。

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