『彼女は頭が悪いから』著者が受け取った読者からの手紙「夫は小説を読むなと……」

『彼女は頭が悪いから』著者が受け取った読者からの手紙「夫は小説を読むなと……」

(RyanKing999/iStock/Getty Images Plus)

性暴力の事件が大きく報道されるとき、被害者をバッシングする声は必ずつきまとう。『彼女は頭が悪いから』で描かれる集団強制わいせつ事件でも、被害者の女子大生は「勘違い女が東大生の人生を台無しにしようとしている」と、匿名の人々から非難される。

 発売当初から話題を呼んだ同書について、著者の姫野カオルコさんに話を聞いた。12月に東京大学で行われたブックトークがネット上でも議論されたが、このインタビューはブックトークより前の11月14日に行ったもの。

姫野:ありがとうございます。

――姫野さんは本書について「架空で非実用的な形態でなければ、書いている私や、私の隣人や知人や、同じ電車に乗り合わせたり病院の廊下ですれちがった人等々、生きて暮らしている人たちに在る真実は描出できないではないか」と書かれています。おっしゃる通りだと思います。

姫野:性暴力でなくても、介護の問題であっても受験体験や恋愛であっても、個人のことって人によって違います。人によって違うので、たとえばAさんのことを本当に正確に書いたら、それはAさんの話しか書けなくなってしまう。けれどもAさんとBさんとCさんとDさん、合わせてひとつの人間として設定して書くと、それはフィクションだけど広い範囲に普遍性を持って、より多くの人に伝えられたり、理解してもらったりすることができる。それがフィクションならではということだと思います。

続きは WEDGE Infinity で

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