「世界最悪の人道危機」の正体、魑魅魍魎のイエメン戦争

「世界最悪の人道危機」の正体、魑魅魍魎のイエメン戦争

1月3日、イエメンの港湾都市アデン。食料を求めてゴミの山を漁る人々( REUTERS/AFLO)

これまでに6万人が死亡し、840万人が飢餓の危機にさらされているイエメン戦争。「世界最悪の人道危機」(国連)と言われながら、サウジアラビアと同国を支配する武装組織フーシ派の戦いは今年も終結する見通しは小さい。戦争の裏側では傭兵や、過激派と手を組む部族長ら魑魅魍魎が跋扈し、希望のない新年に市民には絶望の色が濃い。

■スーダンの“少年兵輸出”

 シーア派の一派であるフーシは元々、イエメン北部のサウジ国境近くが根城だったが、2011年のアラブの春の混乱を利用して台頭。2015年、ハディ政権を首都サヌアから追放し、同国を掌握した。サウジはこれに危機感募らせた。フーシの背後で宿敵のイランが糸を引いているとの疑念を深めたためで、アラブ首長国連邦(UAE)と図り、南部アデンに逃れた傀儡のハディ政権を支援して軍事介入、フーシへの空爆を開始した。

 サウジは米国の支援を受け、フーシへの攻撃を激化させる一方で、イエメンの国境や海上を封鎖した。これにより、ただでさえ最貧国のイエメンは物資不足に陥り飢餓が蔓延。上下水道などのインフラが破壊されたため、衛生状態が極度に悪化し、コレラが大発生した。

 サウジなどの空爆は無差別状態と化し、結婚式や葬式、市場、病院、学校なども爆撃を受け、これまでに民間人約5000人が犠牲になった。

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