「世界最悪の人道危機」イエメン内戦、停戦合意の“脆弱性”

「世界最悪の人道危機」イエメン内戦、停戦合意の“脆弱性”

(AlionaManakova/MiroNovak/vanbeets/iStock)

イエメン内戦は、2015年1月にホーシ派勢力がハーディ暫定政権に対しクーデターを起こし首都サナを掌握したのに対し、サウジ主導の軍事有志連合がホーシ派勢力を鎮圧しようとして始まった。ホーシはイランの代理勢力であるから、内戦は、サウジとイランの代理戦争といえる。内戦は、1万人の死者を出し、数百万人を飢餓に追い込むなど、今や「世界最悪の人道危機」と呼ばれるほどの深刻な事態に陥っている。早期終結が望まれている。

 こうした中、12月13日に、国連の仲介で行われていた和平協議が終了し、国連のグデレス事務総長は、イエメン西部の港湾都市ホデイダ等における停戦で合意したと発表した。ホデイダ港は、イエメンで最重要の港であり、食料、燃料その他の輸入の8割以上が通過する。今回の合意の下で、ホーシはホデイダ市街と3つの港から撤退することに合意した。国連は停戦を監視し、撤退部隊の市外への移動を統括する「再展開調整委員会」の議長を務める。また紛争当事者は、南西部タイズでの緊張緩和、港湾収入の中央銀行への払い込み、捕虜交換合意の実施に関する共同委員会を国連主宰の下に設置することに合意した。合意は12月17日に発効した。国連安全保障理事会は12月21日、この停戦を承認・歓迎し全当事者に合意の遵守を求めるとともに、停戦監視のための先遣隊を派遣する決議を、全会一致で可決した。

 ただ、多くの人が指摘するように、合意が順守され、問題が解決に向かうのかどうかは分からない。

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