国境の壁建設と、トランプの本当の壁

国境の壁建設と、トランプの本当の壁

トランプ大統領ツィッターより

今回のテーマは「トランプの『国境の壁』建設と政府閉鎖」です。2016年米大統領選挙でドナルド・トランプ大統領が掲げた「公約の中の公約」であるメキシコとの「国境の壁」建設実現に赤信号がともっています。トランプ大統領は、昨年の米中間選挙で下院において多数派を奪還した議会民主党の激しい抵抗に遭い、予算に壁建設費用を盛り込むことができません。その結果、政府機関の一部閉鎖が17日間(現地時間19年1月7日)続いています。

 1995年クリントン政権下で、27日間政府が閉鎖されました。トランプ大統領は今回の政府閉鎖が「1カ月ないし1年間続く可能性がある」と語り、民主党との対決姿勢を崩していません。その結果、今回の閉鎖期間が新たな記録を作るのか、注目が集まっています。

 本稿では国境の壁建設を巡る問題を、トランプ大統領とナンシー・ペロシ下院議長に焦点を当てながら分析します。

■「国家非常事態宣言」検討の意味

 クリスマス休暇をホワイトハウスで過ごしたトランプ大統領は、年が明けると早速、国境の壁建設実現に向けて動きました。まず、ホワイトハウスの報道室に1月3日、全国国境パトロール会議の幹部とともに姿を現し、「昨年、1万7000人の犯罪者が国境を越えようとした」と説明し、壁建設の緊急性と必要性を訴えました。

 トランプ大統領は翌4日、記者団の質問に対して、壁建設を早めるために「自分には国家非常事態を宣言する権限がある」と述べました。

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