スポーツで“一つの大会に夢を掲げる”ことの功罪



 通常、選手権に出るほどの学校ともなれば、部員数は100人を優に超える。ここにたどり着くまでにはその中からの15人に選ばれなければならない上、選ばれたとしても各県内の熾烈な代表校決定の予選を勝ち抜かなければならない。

 まさに夢の舞台だ。

 「夢の舞台に向かって青春の全てを掲げる」。そこでは感動あり涙ありのストーリーが展開される。非常に美しく映る光景だ。そんな光景にイチャモンをつけるつもりはない。だがふと思った。現在自分が住んでいるスペインではこのような学生年代に全てを捧げ、目標とする“夢の舞台”が あるだろうか? ……ない。

 これは恐らく私一人の感覚ではない。スペインではほぼ全ての指導者、選手がそのような“夢の舞台”を思い浮かべることがない。

 少しこちらのサッカー環境の話をすると、こちらの「F?tbol base(フットボール・バセ)」と呼ばれる19歳以下の年代では、U10、U12、U14、U16、U19とほぼ2学年ごとにカテゴリーが分けられ、各カテゴリー1〜4部ほどの構成で9〜10月から6月頃までの年間を通じたリーグ戦が行われている。

 リーグ戦の間に小さなトーナメント式の大会なども多少はあるが、こちらの感覚からすれば、選手にとっては「リーグ戦が全て」だ。はっきり言ってしまえば、ほかの大会はあまり重要ではない。

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