「西側同盟」を死語にしたトランプ外交

「西側同盟」を死語にしたトランプ外交

(iStock.com/flySnow/Purestock)

アメリカと欧州同盟諸国との伝統的信頼関係がかつてないほど揺らいでいる。安全保障より「経済最優先」をタテに関係各国首脳への露骨な批判もいとわないトランプ大統領の一連の言動に端を発したものだが、「もはや西側同盟関係は死んだ」との指摘すら出始めた。

 「NATO(北大西洋条約機構)はもはや時代遅れだ」―トランプ氏の欧州同盟批判は2017年1月中旬、大統領就任式を待たずに始まった。

 ニューヨークのトランプ・タワーで英国、ドイツの代表紙特派員とのインタビューに応じ、大統領就任後の所信について以下のような自説を展開した。

 「NATOは個人的には重要とは思うが、加盟している28カ国中まともな防衛分担をしているのは5カ国だけだ。アメリカにとってアンフェアだ……EU(欧州同盟)も事実上、ドイツの傀儡にすぎなくなっている。そのドイツのアンゲラ・メルケル(首相)はきわめて破滅的な間違いを犯している。何百万人もの難民受け入れを決定したことだ。自分は大統領就任後、ドイツの自動車メーカーがメキシコで生産し、アメリカで売ろうとする輸入車に対し35%の関税をかけるだろう……」

 それは“不吉な予言”のようなものだったが、その後、ホワイトハウス入りして以来、大統領が打ち出してきた外交・通商政策は、まさにこうした線にそったものと言えよう。

1 2 3 次へ

関連記事(外部サイト)