砂漠の下に現金や金塊のテロ資金、浮き彫りになった遠いIS壊滅



 米国人が被害にあったシリアでのテロとしてはトランプ政権下で最大だ。事件直後、ISの宣伝機関であるアマク通信が犯行声明を出した。ISが実行犯かどうか確定的ではないが、「今回のテロで明確になったことが2つある」とベイルートの対テロ専門家は指摘する。

 一つはトランプ大統領の「ISは壊滅した」という主張とは裏腹に、ISがなおテロをいつでも起こす力を残している、ということだ。「ISが全く死んでいないことがあらためて明らかになった」(同専門家)わけである。

 もう一つはISのネットワークの広がりである。ISは現在、数百人規模の残党勢力がシリア東部の国境の町ハジン周辺に立てこもり、クルド人主力の民兵軍団と交戦している。しかし、ハジンからテロ現場のマンビジュまでは約400キロも離れており、ハジン地域のIS戦闘員がクルド人勢力の包囲網をかいくぐってマンビジュまで出向いてテロを起こしたとは考えられない。

 「陥落した首都ラッカから逃亡した戦闘員がシリア全土に拡散し、ISネットワークが作られている」(同専門家)という方が自然だろう。ISの休眠細胞として、戦闘員が全土に潜伏、指令一つでスイッチが入るのだ。

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