神宝が伝える「天神さん」の物語

神宝が伝える「天神さん」の物語

《北野祭礼図絵巻》(部分) 江戸時代(17世紀) 北野天満宮蔵

京都の北野天満宮は、日本各地に1万数千社ある天満宮および天神社の総本社として名高い。「天神さん」と親しまれている菅原道真公を祭神に、平安時代に創建された。1100年近いその歴史を神宝やゆかりの美術工芸品でたどる展覧会が、京都で開催される。

 展示は、政治家として手腕を発揮するも大宰府に左遷され波乱の生涯を閉じた道真公の人物紹介に始まり、天満宮の創建から近世まで網羅し、幅広い階層の人々から崇拝されてきた北野天満宮とその信仰の歴史を振り返る。

 なかでも目を引くのが、天満宮創建にまつわる壮大な物語を描いた「北野天神縁起絵巻」で、鎌倉時代の承久本(国宝)など秘蔵の絵巻が一挙公開される。また、北野天満宮が神仏習合の地であったことを象徴する「北野宮曼荼羅」、源頼光が所持し鬼退治に使われ?たとの伝説を持つ名刀「太刀 銘安綱(やすつな)  号鬼切丸(別名髭切=ひげきり)」(重文)なども興味深い。

 一方、8月4日の例祭(北野祭)の様子を描いた「北野祭礼図絵巻」、御手水(おちょうず)神事(現・御手洗祭=みたらしさい)の際に使われた「松風硯(まつかぜすずり)」「梅松蒔絵硯箱(うめまつまきえすずりばこ)」といった、今に伝わる祭礼・神事にまつわる品をはじめ、崇拝者が奉納した数々の至宝も展示される。「天神さん」をめぐる物語に心を寄せてみたい。

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