働き方改革の議論はなぜ進まないのか?

働き方改革の議論はなぜ進まないのか?

(画像:iStock / Getty Images Plus / wildpixel)

働き方改革、日本の労働市場での一連の改革。この議論が提起されて、ずいぶん年月が経った。重要な政治アジェンダとしての意義を否定する人は少ないものの、なかなか議論が進まない現状に直面している。

 結論からいうと、「働き方改革」は「労働市場改革」であって、さらに言えば、「労働市場の流動化」にほかならない。広い既得権益層に多大な影響が及び、政権の基盤を揺るがすリスクをも孕んでいるだけに、デリケートな問題である。政府は切迫感に駆られて取り組もうとしながらも、公に言えないジレンマを抱えている以上、結果的に枝葉末節を取り上げざるを得ない。

 問題の本質とメカニズムを解明し、多様な働き方に対応する制度を提唱すべく、このシリーズの執筆に取り掛かりたい。

■政治家頼みでは成就できない「働き方改革」

 働き方改革というアジェンダは、何らかの原因で議論が忌避されている。そう感じているのは私だけだろうか。

 これまでの経緯を見ると分かりやすい。一橋大学経済研究所の神林龍教授はそのブログ(2017年11月17日付け)で状況をこう述べている――。

「(働き方改革は)2017年9月末招集の臨時国会での大きな論点になり、紆余曲折が待っていると目されていた話題でもあった。ところが、いざ選挙に突入してしまうと、ほとんど口の端にも上らず、世論は働き方改革の行方を忘れてしまったようにも見える」

 政治家が忌避している。

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