「共感資本主義」が生み出すチカラ

進化した社会というのはすべて、低成長下の中で増大する社会的ニーズをどうやって解決していくかというテーマを抱えるのだろうと思います。

 2012年のG8の会合で、「社会的投資」を世界中で進めていく必要があるとはじめて議論されました。その報告書の中で、社会問題解決の投資を‘The Invisible Heart of Markets’(=「市場の見えざる心」)という言葉で表現されました。これが「共感資本主義」を考えるときの一つのキーワードです。

 『国富論』の中でアダム・スミスが書いた「神の見えざる手」をシンプルに言えば、各自が利己的な行動を効率的にやると経済活動が活発化するので、そこで上がる税収を弱者に配分する。この構造をつくることで国が豊かになっていく。アダム・スミスは別の本の中で「それだけでは足りない」とも言ってますが、基本的な『国富論』のパラダイムはそういうことです。

 アダム・スミスが生まれて約300年が経ち、もうひとつの軸がこれからの社会に必要ではないかと議論されています。それが「市場の見えざる心」です。これを簡単に言うと、市場原理による企業の経済活動には競争が存在するので、よいサービスでなければ淘汰される。だから企業はサービスのクオリティを上げていくわけです。では、社会問題の解決は誰がやるのかといえば、これまでは行政でした。

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