「共感資本主義」が生み出すチカラ

そこには競争が存在しない。そこで、社会問題の解決にも競争がある状態を設けることが必要ではないかというのが、この「市場の見えざる心」の考え方です。

 つまり、NPOや行政がやることを、支援する人や投資する人が取捨選択することで、悪いものが淘汰され、いいものが残る、そういう構造をつくっていこうということです。

 その延長線上で、私が注目しているお金の動きを3つご紹介したいと思います。

■今後を語るうえで欠かせない「3つの動き」

 1つ目が、「ソーシャル・インパクト・ボンド」です。

 例えばいま、八王子市がやっている糖尿病対策。糖尿病は悪化すると透析が必要になり、透析には年間500万円から1000万円もの医療費がかかり、財政の圧迫要因になります。しかし糖尿病の予防をする予算がないため、十分な予防活動ができていません。

 そこに投資家の力を借りたらどうなるか。まずは出資者が行政に資金を提供します。その資金を使い、行政は糖尿病の予防プログラムを実施します。その結果、利用者が糖尿病にならなかった割合に応じて行政支出が削減できた分を、行政のお金の中から投資家に還元しようというものです。

 今、こうした事業モデルで、全国で4つのプロジェクトが動いています。

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