「白人至上主義」を排斥したた米議会の良識

「白人至上主義」を排斥したた米議会の良識

(iStock.com/flySnow/Purestock)

国境の「壁」建設計画はじめ様々な問題めぐり与野党の激しい対立が続く米議会で最近、“異変”が起こった。黒人やヒスパニックなどに対する人種差別的発言を繰り返してきた共和党ベテラン議員に対し、同党議員の全員が民主党に同調、重要ないくつかの委員会からの締め出しを決定した。トランプ大統領が寛容な態度を示す「白人至上主義」に対し、少なくとも連邦議会は超党派で決別宣言したことを意味している。

 騒ぎの発端は、共和党重鎮の一人、スティーブ・キング下院議員(アイオワ州、69)が今月初め、ニューヨーク・タイムズ紙と行ったインタビューだった。この中で同議員は、不法移民問題などに関連して「白人国家主義者(white nationalist)、白人至上主義者(white supremacist)、西洋文明などといった言葉を使ったからと言ってなぜ非難されなければならないのか」などと、自らのこれまでの人種的偏見を当然視するかのような発言をした。

 さらに同議員は、先の下院選で民主党が圧勝したことについての感想を求められ「ずらりとマイノリティの新人議員が登場したが、その民主党を見る限り、この国はもはや白人男性の国とは言えなくなっている」などとコメントした。

 キング議員については、これまでにも以下のような放言がマスコミでも話題になってきた。

 「非白人たちは白人ほど、アメリカ文明に貢献してこなかった」

 「不法移民たちが増え始めるにつれて、アメリカ国民はまるでホロコーストをスローモーションで再現させるような状況に置かれている」

 「国民が産児制限のために避妊するのは、わが国の文化と文明にとって建設的とは言えない」

 「メキシコとの国境に高さ12フィートの壁を作り、そのてっぺんには、牧場で家畜逃亡防止柵に施しているのと同様に、電気ショック・ワイヤーを張り巡らすべきだ」

 このような問題発言を繰り返してきたキング議員だが、議会共和党指導部は最近まで、南部および中西部のキリスト教右派を中心とする同党の伝統的支持基盤への配慮から、同議員の破天荒な言動に対し、とくに自制を呼びかけることもせず、言わば放任状態だった。

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