トランプ政権とタリバンの取引きの「危うさ」

トランプ政権とタリバンの取引きの「危うさ」

(grebeshkovmaxim/FabrikaCr/Bumblee_Dee/iStock)

2017年8月、トランプ大統領は自ら演説してアフガニスタン戦略を打ち出した。その主たる内容は米軍を増派し、タリバンに聖域を提供しているパキスタンを締め上げ、タリバンを打倒しようとするものであった。しかし、目に見える成果は上がらず、トランプは昨年12月に唐突に米軍1万4000人の半分の撤退を命じた。トランプにとっては我慢の限界に来たのであろう。この撤退の道筋をつけるためにザルメイ・ハリルザド(元アフガニスタン、イラク、国連大使)がタリバンとの交渉を急いでいる。

 恐らく、ハリルザドに課せられた優先課題は、何とかして米軍の一部撤退を可能とする体裁を整えることにある。彼は有能な外交官ではあるが、トランプに忠誠を誓っている人物のように思われる。2016年4月、トランプがCenter for the National Interest で選挙戦中唯一の外交政策に関する演説を行った際に司会を務めたのがハリルザドである。彼は、アフガニスタン戦略に関するトランプの上記の演説をベタ褒めする論評をニューヨーク・タイムズ紙に書いたこともある。

 1月にカタールにおけるタリバンとの直接交渉で「枠組み」が合意したとされるが、その内容は「想定される合意の要素」という程度のことらしく、タリバンがこれに同意したという訳ではない。今後、タリバンが取るべき諸措置に同意するとして、それらの措置を米軍の撤退のスケジュールとどのように組み合わせるかは難問である。

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