「ブレグジット」で失われる60万もの雇用

「ブレグジット」で失われる60万もの雇用

(Tanaonte/gettyimages)

英国が欧州連合(EU)からの離脱を通知してから2年経つ交渉期限が3月29日に迫る中、ジェトロはこの問題の最新情勢についてロンドンとブラッセルからの現地報告に基づくセミナーを22日に開催した。

 井上博雄ブラッセル事務所長は「英国とEUの交渉は相互不信に陥り、危機的状況にある。期限までに合意できる可能性は小さく、現地の日系企業は『合意なき離脱』により生ずるリスクに備えるべきだ」との見方を明らかにした。

 また中原廣道ロンドン産業調査員は「英国とEUの交渉は北アイルランドの国境管理問題(バックストップ)で対立し、先行きの不透明感が強まっている。英国は『合意な離脱』になった場合に備えるガイダンスも公表、物流、通関、金融分野などへの影響が心配されている。英国側だけでなくドイツやフランスなどEU側も雇用面の影響を警戒、ドイツのハレ経済研究所は『合意なき離脱』が起きると、ドイツで約10万3000人、フランスで約5万人を含む世界全体で約60万人が失職する恐れがあると公表している」と指摘した。

■多い不確定要因

 ブレグジットをめぐっては、1月15日に英国下院がメイ首相の提案した離脱協定案を大差で否決した。29日には下院が協定案についての新方針を採決した。しかし、メイ首相が率いる保守党や最大野党の労働党の双方から離反者が出て中道グループを結成するなど、首相を取り巻く政治情勢は厳しさを増している。

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