憲法は、国家が失敗しないための「貼紙」

憲法は、国家が失敗しないための「貼紙」

木村草太さん(左)、出口治明さん(右)

■「保険って、憲法と似ていると思うんです」

出口:この対談は、僕がいろいろな先生方に教えを請うという場です。今日は木村先生から「日本国憲法」のお話をうかがうことを楽しみにしてきました。よろしくお願いします。

木村:まずは、日本国憲法というよりも、「憲法とは何か」というところからお話をしましょうか。

 憲法とは、国家権力が過去にしてきた失敗を繰り返さないために、その失敗をリスト化して禁止したもの。言ってみれば貼紙のようなものなんです。

出口:なるほど。

木村:たとえば、小学校には「廊下を走らない」という貼紙がしてありますね。子どもたちが集まると廊下を走り出してしまうのは、人類普遍の原理です(笑)。それを繰り返させないために貼紙をするわけです。

 どんな団体や組織にも失敗しがちなことはあります。たとえば、学校の場合は廊下を走らないですが、国家の場合は「戦争をしないようにしよう」とか「人権侵害をやめよう」とか。憲法は、そのような貼紙だと思えばいいんです。

出口:すごくわかりやすくて面白い! 実は僕、恥ずかしいんですが、大学は憲法ゼミだったんですよ。

木村:えっ、そうなんですか?

出口:でも憲法自体は全然勉強しなかった。表現の自由を勉強していたんです。

木村:なるほど、そうでしたか。

出口:僕は単純に考えれば、どんな社会でも権力は必要だと思っています。国家がなぜ作られたかといえば、権力をひとところに集めて治安を維持し、住みやすい世の中をつくるためですよね。

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