マタハラでスタートラインに立てない

マタハラでスタートラインに立てない

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 待機児童が減らない理由の大きな原因には、このような子育て期の世代の非正規雇用の増加がある。第1〜2回で指摘したように、「非正規雇用労働者」の増加は「0歳児保育のニーズ」の増加に直結するが、それが考慮されていない。さらに問題なのは、望まない失業が潜在需要を膨らませているはず。

 社会人としてスタートを切った時期が就職氷河期に当たり、やむを得ず非正規雇用になった子育て世代は少なくない。また、少数精鋭の正社員で長時間労働に疲弊し、転職を機に非正規になるケースもある。マタハラによって正社員から非正規に条件を変更させられた、「妊娠解雇」に遭ったなどの理由で、保育所に入るためのスタートラインにも立てなくなると、そのまま潜在的な待機児が増えるのだ。

 保育所の入園審査では保護者の雇用状況や家庭環境などが点数化され、利用基準指数などと呼ばれる点数がつく。例えば、ある自治体では、保護者(父母)が居宅外労働(いわゆるサラリーマン)や外勤・居宅外自営で「週5日以上勤務し、かつ週40時間以上の就労を常態」という働き方が最高の利用基準指数がつき、50点だとする。時短や融通の効く勤務をしていて、「週5日以上勤務し、かつ週37時間以上の就労を常態」だと45点。「求職中」だと10点、「ひとり親」であると50点――など、自治体によって異なるが、おおよそ類似した指数がつき、その点数の多い順に入園が決まっていく。

 今や、保育所利用の需要の高い地域では、両親がフルタイムかひとり親であることなど、最高点がついて初めて入園できる地域も少なくない。もし両親のうちいずれかが非正規雇用か居宅内での自営業で就労時間が認められずに点数が最高点から1点でも足りなければ、待機児童になってしまう状況だ。

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