共働き世帯の増加と長時間労働の実態

共働き世帯の増加と長時間労働の実態

(iStock)

 「夜勤をしてもしなくても長時間労働は避けられない」

 都内の病院に勤める看護師の原野美知恵さん(仮名、35歳)は、不妊治療を経て待望の子どもを授かった。上司である病棟の師長に妊娠を報告し「すみません。つわりが酷いし、お腹が張って流産が心配なので夜勤を免除してもらえないでしょうか」と申し出た。すると、師長から「急に言われてもシフトを調整できない。人手が足りなくて皆が夜勤を頑張っている。あなただけ特別扱いできない。夜勤ができないならパートになって」と、暗に退職かパートになるかの選択を言い渡された。

 妊娠を理由にパートにさせるなど労働条件の切り下げ(不利益取り扱い)も、男女雇用均等法によって禁じられているが、美知恵さんは「看護師はやりがいのある仕事で辞めたくはない。けれど、みんなに迷惑をかけてまで夜勤免除を強くいえない。不妊治療でせっかく宿った命。ここで争って居づらくなるより、いったんパートになって出産まで無事に過ごしたほうがいいのかもしれない」と悩んだすえに、やむなく労働条件の切り下げに応じた。

 美知恵さんは非正規でも育児休業を取って職場復帰できることになったが、出産直前には切迫早産(早産しかかる状態)のため、休みが多くなって勤務実績が足りず認可保育所に子どもを入れることができなかった。病院の院内保育所に子どもを預けながら、認可保育所に空きが出るのを待つうち、師長から「そろそろ常勤に戻って夜勤に入れないか。

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