東芝メモリの売却先、知られざる最良の選択肢

東芝メモリの売却先、知られざる最良の選択肢

(写真・Chris McGrath/GettyImages)

■判断基準は東芝メモリの技術者にとって良いかどうか

 東芝は2016年末に米原子力事業が巨額損失を出すことが発覚し、2017年3月期の決算で製造業史上最大の1兆100億円の赤字となり、6200億円の債務超過に陥った。この危機的状況を回避するために、NAND事業を切り出して東芝メモリを設立し、その新株を1.5〜2兆円で売却しようとしている。

 その第1次入札が3月29日に行われた。複数の新聞や雑誌の記事を総合すると、10社以上の企業が入札した模様である。また、経済産業省が声をかけ、日本政策投資銀行や産業革新機構を中心として、東芝のNANDを必要としている企業を集め、日の丸連合を形成する動きがある(表1)。

 本連載では、「東芝メモリを買ってほしいところ、買ってほしくないところ」について、10回に分けてその理由及び周辺事情を詳述する。

 その際の分析の視点は、「東芝本社にとって良いかどうか」ではなく、「東芝メモリの幹部にとって良いかどうか」でもなく、「東芝メモリの技術者にとってベストな買収先はどこか?」ということである。

 というのは、このような悲惨な事態を招いた東芝本体の役員には怒りを覚えるし、東芝が世界で初めてNANDを発明し、世界で初めて3次元NANDを発表したにもかかわらず、サムスン電子と比べると技術開発や量産が周回遅れになっているのは、東芝メモリの幹部に責任があると考えているからである。

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