社会構造の変化を認識しよう

社会構造の変化を認識しよう

(iStock)

 子どもが熱を出すと、まるで四面楚歌の状況――。

 「ちょっと子どもを見ていてもらえさえすれば、全然違うのに」と、都内に住む山野博美さん(仮名、39歳)は、途方に暮れる。

 4歳の娘と1歳の息子を保育所に預けているが、悩みの種が尽きない。娘が熱を出した時、元気いっぱいな息子を保育所に預けてから娘を病院に連れていこうとすると、保育士から「お母さん、お休みですよね」と言って門前払いをくらった。「元気な息子を病院に連れて行って何時間も待つのでは、息子がかわいそう。なんとか、受診が終わるまで預かってもらえないか」と食い下がると、今度は「何かに感染して潜伏しているといけないので、元気でも登園しないでください」と冷たい。

 一般的には、兄弟姉妹のなかで体調を崩した子がいた場合でも、多くの保育所で元気な子は預かってもらえる。感染症は発症する前日から感染力があるため元気な子の登園拒否には科学的根拠が乏しい。また、病気の子には親から看護される権利があり、元気な子には保育・教育を受ける権利がそれぞれあるため、本来は登園を拒否されるものではない。厚労省が定めているのは、特定の感染症に対する羅漢した本人の登園できない日数についてであって、元気な兄弟姉妹の登園の可否については国として通知などを出してはいない。ただ、博美さんの子どもが通う保育所では、親が休めば理由を問わず一切、子どもを預からない主義だった。

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