過熱する中国の権力闘争、海外メディアを巻き込んだ情報戦へ

過熱する中国の権力闘争、海外メディアを巻き込んだ情報戦へ

王岐山(左)と習近平(写真:ロイター/アフロ)

 一大政治イベント十九大(次期最高指導部の決まる共産党大会)を半年後に控え、権力闘争が過熱する中国。その過熱ぶりは海外メディアを巻き込んでの情報戦に発展している。台風の目になっているのは、汚職の嫌疑をかけられ米国に亡命中の実業家・郭文貴氏だ。

■政商の「核爆弾級」暴露

 郭氏は米政府系放送局ボイス・オブ・アメリカ(VOA)に4月19日に出演(https://www.voachinese.com/a/issues-and-opinions-20170419/3816655.html)。「核爆弾級の暴露」として、習近平国家主席と同じ「太子党」で党内の実質ナンバー2ともされる王岐山(党中央規律検査委員会書記)の親族の腐敗ぶりについて証言した。加えて、公安省の現役次官から指示されて海外の王氏の親族の資産について調査したと証言。その調査に習氏の意向が働いている可能性にも言及した。

 反腐敗運動を取り仕切る王氏に関する汚職疑惑、しかも盟友のはずの習氏との間の対立まで暗示する内容とあって大騒ぎになっている。68歳の王氏は慣例からすると引退のはずだが、太子党の勢力維持のために党大会では慣例を破って要職に就くのではという予測もある。ただ、郭氏による暴露はそれをひっくり返しかねない内容だ。

 しかも、3時間のはずの番組が1時間ほどで理由を明かさないまま急きょ打ち切り。前日の18日には中国の要請を受けた国際刑事警察機構(ICPO)が郭氏を指名手配していることも考え合わせると、中国政府が郭氏に対してかなり本気の対応をしていると見受けられることから、証言の信ぴょう性が高いのではと見る向きもある。

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