仏新大統領の勝利は未完

仏新大統領の勝利は未完

(iStock)

 5月7日のフランス大統領選挙におけるマクロンの勝利について、フィナンシャル・タイムズ紙コラムニストのトニー・バーバーが、マクロンの勝利に安堵したが彼の仕事はこれからだ、という論説を5月8日付で書いています。要旨は次の通りです。

 マクロン支持者だけでなく、自由な民主主義には立ち直る力があると信じたいと思っていた世界の全ての人々が安堵の胸を撫で下ろした。グローバルな資本主義、ヨーロッパ、国の姿に対する際立って異なるフランス人の態度をあからさまにしたこの選挙で、半数以上の人々が開放、寛容、国際主義を選択した。

 しかし、マクロンの勝利は未完である。この選挙はかつてない位に極右に正統性を与えることになった。分断された政治状況、広がる社会的不満、将来に対する不安、大統領の地位の凋落がマクロンの5年の任期を1958年の第五共和制の発足以来最も困難なものにする。

 最初の試練は6月の国民議会選挙である。左右の政治的闘争という古臭い信仰をかなぐり捨てようとするマクロンの企てを伝統的な政党は阻止しようとしており、「前進」(注:マクロン新党)が多数派を形成出来なければ、マクロンはこれら政党に囚われの身となるであろう。多数派を形成出来なければ、マクロンの経済政策の中核であるプロ・ビジネスの施策、労働市場改革、国家の改造に関するマンデートには陰りが生ずる。しかし、彼には勝利によるモメンタムがある。

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