「自分ファースト」を選んだトランプ

 今回のテーマは「一人ぼっちのトランプ」です。ドナルド・トランプ米大統領は、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱を表明しました。その反動は大きく、トランプ大統領は各国の政治指導者及び経営者から批判を浴びています。本稿では、離脱表明の演説内容から何を読み解くことができるのかを中心に述べます。

■バノングループの勝利

 米メディアはパリ協定を巡り、政権内における離脱派と残留派の間で激しい駆け引きがあったと報じています。離脱派は大統領上級顧問兼首席戦略官のスティーブン・バノン氏及びスコット・プルイット環境保護局長官らです。一方、残留派には大統領の長女イバンカ大統領補佐官、レックス・ティラーソン国務長官、ゲーリー・コーン国家経済会議委員長及びジェームズ・マティス国防長官らが含まれています。「ロシアゲート疑惑」の中心人物となっている娘婿のジャレッド・クシュナー大統領上級顧問は、パリ協定は米国に不利益をもたらす「悪い取引」だと捉えて再交渉の立場をとったと言われています。 

 まず、演説の中でトランプ大統領は声のスピードを落としながら効果的に表情と間を使って、パリ協定離脱を表明しました。次に、米国にとって公平な協定に修正するための再交渉について言及しました。 

 その背景にはバノン・クシュナー両氏の主張のバランスをとったというトランプ大統領の意図があるわけですが、離脱の印象が強烈であったことは間違いありません。

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