電子決済の普及で中国人が「道徳的」に?

電子決済の普及で中国人が「道徳的」に?

istock

 前回はコンピュータと人間の脳を接続することで新たな展望を図る、Facebookをはじめとした様々な試みを取り上げた。そこでは、病気などの対処として期待が持てる一方、SF小説が描いてきた未来のコミュニケーションにおける盲点について考察した。我々は不完全であるが故に向上心を持つ存在なのだろう。

 技術は我々の生活に大きな影響を与えるが、今回は中国で生じている興味深い事例について検討したい。それは驚くべき現象であり、疑問を抱く点も多い一方、単純に否定できない複雑な問題を我々に提示している。

■QRコードとスマホだけで決済進む中国の電子決済

 日本人は現金払いが他国に比べて多いと言われている。カードと言えばクレジットではなく各企業が発行するポイントカードであり、それらが財布の幅を広げている。ところが中国では現金を利用する機会が近年急激に減っており、代わりにスマホを利用した決済手段が使われている。

 利用方法は簡単だ。まずスマホに決済アプリをインストールし銀行口座などと紐付け、そこからアプリに指定した金額をチャージする。日本は電子決済に専用の読み取り装置が必要であり、装置の費用を店舗が負担することもあるが、中国ではQRコードをかざすだけで決済画面が表示され、そこで支払いを済ませることが可能だ。店舗はQRコードを印刷したシールひとつ用意するだけで電子決済が可能となるばかりか、通常クレジットカードや電子決済時に支払われる手数料もかからないか、あったとしても極く小額ということもあり、急激に中国で拡大している。

1 2 次へ

関連記事(外部サイト)