アップルの受注獲得に繋がった企業理念のつくりかた

アップルの受注獲得に繋がった企業理念のつくりかた

(写真・BrianAJackson/Thinkstock)

 ノービジョンのリーダーが率いる組織は衰退する。当たり前の話だが、多くの日本企業は笑えないのではなかろうか。

 社会に必要とされ、競争力のある企業をつくるのに、ビジョンは欠かせない。どういう会社にしたいのか、何のためにどんな製品やサービスをつくり、どのように世の中を変えたいのか。大きなビジョンや目的を定めることから事業活動は始まる。ビジョンは会社の憲法のようなものだ。

 ビジョンの必要性は、テキサス・インスツルメンツ時代に学んだ。創業者が「OSTを意識せよ」と言っていたが、これはObjective(目的)、Strategy(戦略、どんな会社にしていきたいのか?)、Tactics(戦術、それを達成するために必要なアクション)のことを指す。なかでも重要なのは目的、ビジョンだ。

 迷走を続ける東芝などの大企業だけでなく、ベンチャーの旗手としてもてはやされていたDeNAも「肩こりの原因は幽霊」といった記事などが掲載されていた医療キュレーションサイト運営で批判を浴びたが、まともなビジョンや目的がないとこうした事態に陥りやすい。「ただ儲かればよい」という安易な考えではいつか足元をすくわれる。

 私はエルピーダメモリのCEOに就任後、週に一度、部長以上の役職の従業員約30人を集め、企業理念を決めるべく侃侃諤々(かんかんがくがく)の議論を行った。

 随分と単価の高い会議だが、会社と従業員が目指すべき方向性を決める会議なので、費用対効果は低くない。

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