ドルの正しい値段を求める努力は無駄である

ドルの正しい値段を求める努力は無駄である

(iStock)

 ドルの値段は、毎日、毎時、毎秒動いています。しかし、どこかに「正しいドルの値段」があるはずです。それが求まれば、大儲けできるかもしれません。そう考えている人も多いと思いますが、無駄ですからやめましょう。

 最初は、経済初心者向け解説です。一般の方は、飛ばしても大丈夫ですが、復習のために一読していただければ幸いです。

■そもそも正しいドルの値段って何?……経済初心者向け解説

 まず、正しいドルの値段とは何でしょう? 途上国へ行くと、何でも安く感じます。日本で300円の物が1ドルで売っていたりすると、「正しいドルの値段は300円だろう」と考えたりしますね。

 国連などが、「世界中の生活費を同じにするようなドルの値段」を計算しています。計算結果は「購買力平価」と呼ばれています。ある意味で正しいドルの値段なのですが、それを知ったからと言って大儲けできるわけではありません。どこの国の人が実は一番豊かに暮らしているのか、といったことを知るためには有益ですが、アフリカの方が理髪代が安いからと言って、アフリカまで理髪をしに行く人はいませんから(笑)。

 理屈上は、貿易されている物の値段だけを比べて、各国の値段が等しくなるようなドルの値段を計算することが可能でしょうが、それを計算しても、やはり途上国と日本を比べれば、外国の通貨はもっと高くなる必要がある、という結果になるでしょう。しかし、それは円とドルの関係が変化すべきなのではなく、途上国通貨とドルの関係が変化すべきだ、ということなので、日本人が気にすることではありません。

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