抜け穴だらけの中国の対北朝鮮制裁

抜け穴だらけの中国の対北朝鮮制裁

(iStock)

 5月12日付のニューヨーク・タイムズ紙は、北朝鮮に対する経済制裁には多くの抜け穴があり、特に中国は北朝鮮と多くの取引をしているとのパーレス同紙北京支局長らの解説記事を掲載しています。記事の要旨は、以下の通りです。

 北朝鮮との国境沿いにある中国の町丹東にある衣料の会社は、北朝鮮に生地などの素材を送って衣料を作らせ、「メイド・イン・チャイナ」のラベルを貼らせて入手し、輸出している。偽のラベルのおかげもあり、北朝鮮の衣料産業は昨年5億ドル以上の売り上げを記録した。

 制裁の抜け穴を使っての北朝鮮の中国に対する石炭の販売は、昨年11億ドルに達した。

 海外で働いている北朝鮮労働者は40か国、5万人以上にのぼり、年に2億5千万ドルほどを国に納めている。中国は北朝鮮の貿易の80%以上を占め、2月に今年いっぱい北朝鮮からの石炭の輸入を止めると発表した。

 しかし中国は北朝鮮体制が崩壊し、大量の越境避難民が発生し、より敵対的な隣国ができることを恐れ、北朝鮮により厳しい制裁は課してこなかった。国連の制裁は、北朝鮮の軍部と指導層を対象とし、一般国民は対象としていないが、貿易が拡大するにつれ、両者の境界線はぼやけてきている。

 中国は北朝鮮の衣料産業は軍事計画ではなく、制裁は国民に痛みを与えるとして国連の制裁対象から除いてきた。しかし北朝鮮の民間企業は国の官吏が監督しているうえに、原子力庁が管理している「朝鮮金山貿易会社」が衣料工場を経営しているという事実もある。

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