世界の超大国になりきれない中国

世界の超大国になりきれない中国

(iStock)

 ワシントン・ポスト紙の5月15日付け社説が、習近平の一帯一路構想は成功するかどうか分からない、中国の勢力圏構築が成功するとすればそれはTPP離脱により米国が自ら譲ったからだ、と述べています。社説の要旨は次の通りです。

 一帯一路構想は中国版マーシャル・プランだと言われてきた。5月15日に閉幕した一帯一路国際会議は地政学的効果を狙うものだ。中国はユーラシアにまたがる勢力圏を築き、場合によっては米国を凌駕するような超大国になろうとしている。

 この構想により習近平は「中国の夢」を実現するかもしれない。少なくとも既に建設が進行中のパキスタン、ラオス、ミャンマー、インドネシア等途上国で鉄道網や港湾、発電所が建設されていくだろう。しかし、トップダウンで専制的、そして、中国の利益になるプロジェクトばかりを集めるようなやり方では構想の狙いを達成できないだろう。

 習近平の構想は、欧州の民主主義国家の復興のために米国が支援したマーシャル・プランとは相違するという点で、失敗する可能性が高い。中国の構想には民主主義や透明性は全くない。中国企業によるインフラ投資により、中国は自国製品の輸出を増大させ、パキスタンのグワダル港などを中国海軍の補給基地にし、また、その過程で中国の一部「エリート」は私腹を肥やすことになるかもしれない。スリランカでは港湾建設等を巡り政治的反発が起きている。

 5月14日に習近平が約束した1240億ドルの投資は過剰設備を抱える中国の製鉄、セメント産業の助けになるだろう。

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