トランプ弾劾はいかに?過去に2回、不倫で訴追も



 1868年2月、ジョンソン追い落としのまたとないチャンスが訪れた。大統領は、当時の陸軍長官(今の国防長官)を、機密情報を自らの政敵に流していたのではないかという疑念から罷免した。

 しかし、反大統領勢力は、前年に制定された政府高官の任免に関する法律に抵触するとしてこれを攻撃した。任命だけでなく、罷免にも議会の同意が必要なのに、大統領はそれをしなかったというのが理由だった。 

 大統領は、陸軍長官任命は、法律制定前のリンカーン時代であり、適用されないなどと反論したが、反大統領派は追及の手を緩めなかった。弾劾訴追するかどうかは下院で審議されるが、共和党が多数を占めていたことから訴追が決まった。
 
 10日後、上院で史上初めての弾劾裁判が開始された。当時の定数54のうち、共和党は弾劾成立に必要な3分の2を超える42議席を確保していた。弾劾成立はだれの目にも明らかに映った。

 ところが、起訴事実にあたる弾劾条項11項目の一つについての投票は、賛成35、反対19、3分の2を欠くことわずか一票という際どい結果で、否決されてしまった。

 権力争いによって大統領を追放することを潔しとしない共和党議員7人が党幹部の圧力をはねつけ、勇気ある造反を企てた結果だった。 

 10日後に行われた他の2項目の採決でも、賛成、反対同じ顔ぶれ、やはり一票差での否決だった。残りの条項については、もはや採決は見送られた。

こうして、ジョンソン大統領は劇的に弾劾を免れた。

 米憲政史上初の弾劾裁判は、政争の色彩が強かった。戦争直後においては、革命騒ぎなど、多くの国で政治、経済、社会の混乱がみられたことは歴史を紐解けば明らかだろう。

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