一面の棚田にゆらめく光の行列

一面の棚田にゆらめく光の行列

松明を手に棚田の畦道を歩く虫送り

 香川県小豆島の内陸にある中山地区は、標高差100メートルの山腹に広がる美しい棚田「中山千枚田」の風景で知られる。毎年半夏生(はんげしょう)のころに、松明(たいまつ)を手に畦道(あぜみち)を歩き、害虫駆除と豊作を祈念する「虫送り」が行われる。

 中山千枚田の虫送りは、約300年前から実施されてきた伝統行事だが、近年、農業の担い手が減り過疎化が進んだことから途絶えていた。復活のきっかけは、映画「八日目の?(せみ)」(2011年公開)の撮影で行事が再現されたことだった。映画では虫送りが重要な場面として登場したこともあり、以降島外からの観光客も多数参加して催されるようになった。

 虫送りは、当日の天候にもよるが、19時ごろ小豆島霊場44番札所の湯舟山(ゆぶねさん)と、荒(こう)神社の2つの出発地点に分かれてスタート。火手(ほて)と呼ばれる竹で作った松明を田にかざし、「とーもせ、ともせ」と口々に唱えながら水路沿いの道を通って中山春日神社まで進んでいく。時間にして15分ほどだが、棚田の中にゆらめく炎が点々と続く幻想的な風景は圧巻だ。

 火手は約300本用意され、当日参加も可能だ。殿川ダム下公園で17時より参加者を先着順で受け付ける。見物の場合、日没後は暗いので足元を照らす懐中電灯を用意しておきたい。

 

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