ロンドン・テロで高笑いのIS、懸念される報復の連鎖

 ロンドン北部のモスク付近で白人の運転する車がイスラム教徒に突っ込んだテロ事件は典型的なヘイトクライム(憎悪犯罪)と見られているが、最大の勝利者は欧米でイスラム教徒とキリスト教徒との対立を煽ってきた過激派組織「イスラム国」(IS)だ。IS側にはキリスト教徒攻撃を正当化できる理由ができたことになり、報復の連鎖が懸念されている。

■高笑いのIS

 19日真夜中に起きた今回のテロの容疑者はロンドンから200キロ離れたウェールズに住む47歳のダレン・オズボーン。オズボーンは4人の子供がおり、これまでイスラム嫌いの過激な言動を示したことはなかったという。治安当局の監視リストにも入っていなかった。

 しかし、犯行2日前には「イスラム教徒に危害を加える」といった発言をしていたといわれ、治安当局はロンドンなどで相次ぐイスラム過激派によるテロ事件に触発されて反イスラム感情を高めていった可能性があるとみて調べている。

 英国では、3月のロンドンの国会議事堂付近の車暴走テロ、5月のマンチェスターの爆弾テロ、6月初めのロンドン繁華街での車両テロなどが立て続きに起き、イスラム教徒への嫌がらせや迫害事件が多発していた。

 ロンドン市当局によると、6月初めのテロ以降の1週間で約120回に上る反イスラム事件が発生、前の1週間が36件だったのに比べ急増していた。今回の事件直後には、ロンドンの別のモスク(イスラム礼拝所)に脅迫電話がかかるなどイスラム教徒への嫌がらせや迫害が一段と増加しそうな状況だ。

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