日本企業復権の劇薬「40代定年制」

日本企業復権の劇薬「40代定年制」

写真を拡大 坂本幸雄(さかもと ゆきお) サイノキングテクノロジーCEO、元エルピーダメモリ社長 日本体育大学卒業後、日本テキサス・インスツルメンツに入社。93年副社長。神戸製鋼所、日本ファウンドリー社長を経て、02年エルピーダメモリ社長。現在サイノキングテクノロジーCEO。(写真・MASATAKA NAMAZU)

 家電、携帯電話、半導体……かつて日本のお家芸だったものが次から次へと競争力を失った。こうなったのは日本企業の人事制度にも一つの要因がある。

 まずはなんといっても実力主義の組織ではないことが問題だ。歳を重ねるだけで偉くなり決定権限をもつ……世界を舞台にライバル企業としのぎを削っていかなければならないのに、こんな人事制度では戦いに勝てるわけがない。

 物の売買はリアル店舗からインターネットへ、自動車は人が運転しなくてもよい自動運転車へと進化を遂げようとしているように、世の中は常に進化し、次々に新しいものやサービスが誕生する。企業はそうした環境の変化にすぐさま対応していかなければならない。

 一般的に高齢者より若い世代のほうが、新しいものに対する関心は高いだろうし、拒否感は少ないだろう。社内でのしがらみも高齢者より少ないはずだ。

 そうした中で、年功序列で歳を重ねると偉くなり、決定権限をもつというのは弊害が大きい。

■リストラ悲観論だけでは更なる悲劇を生む

 かつて私が勤めていたテキサス・インスツルメンツ(TI)では40〜50歳が一つの区切りとなっており、
@今後もTIで昇進する人
A会社に残るが給与も待遇も下がる人
Bリストラ対象の人
の3パターンに分けられた。

 40〜50歳が事実上の定年となることにより、常に若い従業員が力を発揮できるようになっていた。こうした仕組みはTIに限ったことでなく、他の米国企業でもよく見られる。

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