EUの内なる敵の正体

EUの内なる敵の正体

(iStock)

 英フィナンシャル・タイムズ紙が、「EUはその内部でのリベラルでない勢力に対して戦わなければならない。法の支配が中東欧で強まる圧力にさらされている」との社説を5月22日付けで掲載、ポーランドやハンガリーにおける自由民主主義からの逸脱に懸念を表明しています。社説の要旨は次の通りです。

 EUは長い道のりを経て、貿易・経済とともに共通の価値の同盟になった。しかし、民主主義、言論の自由、市民的権利などの価値が、今いくつかの東欧の国で、冷戦終結後最大の脅威にさらされている。今のところ、EUは集団として、権威主義への下落を阻止するための手段を欠いている。しかし、EUは民主的規範を堅持し、監視することを再度約束し、可能な場合には最悪の濫用を阻止する手段を持たなければならない。

 最近、ポーランドでは、最も有名な歌手の一人が政府を批判した後、全国祭典への参加を拒否されたと報じられた。ハンガリーにおける民主主義と市民社会への締め付けは続いている。ハンガリーのオルバン首相は、「リベラルではない」民主主義を目指すと述べ、中国、ロシア、トルコをモデルとして賞賛している。

 EUは中東欧諸国の加入の際に、人権と統治についての基準を定めたが、この基準から後退するのを阻止する権限をほとんど持っていない。法の支配と欧州人権条約を堅持する責任は、伝統的にEUとは別組織の欧州評議会にあるとされてきた。

 いずれにせよ、EUは逸脱した加盟国に制裁を加えるに際し、注意深く行動する必要がある。

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