トップが既得権を捨てないと次の経営者は育たない

トップが既得権を捨てないと次の経営者は育たない

写真を拡大 松本 晃(まつもと あきら)カルビー代表取締役会長兼CEO 1947年京都市出身。京都大学大学院農学部修士課程修了。伊藤忠商事、センチュリーメディカルを経て、ジョンソン・エンド・ジョンソンに転職、99年に同社日本法人の社長就任。2009年から現職。(写真・NORIYUKI INOUE)

 幹部候補の社員に対して、様々な経験を積ませながら経営者として育成する企業が多い。しかし、人事はそこに明確な育成ビジョンを持っているだろうか。人間には必ず個人差がある。それなのに一律の人事ローテーションをかけていないだろうか。能力がある人に30年も40年も下積み経験をさせる必要などない。カルビーでは執行役員を決めるときに年次や年齢などはまったく考慮しない。

 いまだに年功序列がまかり通っている企業というのは、経営陣が既得権を握っているということ。そのような環境では、いつまでたっても優秀な人材は育たない。私自身も人事権は会社に委譲し、会長室などもない。トップ自らが既得権を捨てなければならない。

 そして権限を委譲された人たちが、自ら考えて決断することが大事だ。私が力ずくで何かを変えてもきっと続かない。私がいなくなれば元に戻るだけだ。

■経営者候補が40歳までに身につけるべき13の項目

 経営者はジェネラリストでなくてはならず、文字通りすべてのことがそれなりにできなければならない。カルビーでは経営者になる人が身に付けるべき13の必須項目を定めている。まず、アカウンティング(会計)。数字が読めなければ仕事にならない。次にリーガル(法律)、そして英語。その他、人事、IT、財務、製造、品質、営業、総務、プレゼンテーション、一般教養(特に歴史)、マーケティングといった項目を大体35歳から40歳くらいまでに習得しているかどうかが将来を左右する。

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