南北戦争と騎兵隊の砦、理念を持った現実主義者リンカーン

■リンカーンの最大の政敵は“小さな巨人”、主張も外見も真逆

 4月9日(土)。イリノイ州議事堂は堂々たる19世紀の建築である。議事堂前の庭園の真ん中の一番目立つ場所に頑固で不敵な面構えの短躯な人物の銅像が立っている。リンカーンの銅像はあまり目立たないところにあった。

 リンカーンを差し置いてあたりを睥睨している銅像のプレートを読むと『スティーブ・ダグラス、イリノイ州選出の上院議員でリンカーンが共和党候補として出馬した1860年の大統領選で民主党候補として戦って敗れた』という人物だ。イリノイ州出身議員として政治活動歴は長く短躯(議事堂のパンフレットでは160センチ以下だったよし)であるが偉大な政治家として議事堂の正面に立っているようだ。ニックネームはずばり“Little Giant”(小さな巨人)。

 ダグラスの主張は奴隷制度については各州の住民が決める問題であり各州の民意が尊重されるべきという立場で奴隷制度そのものは認めている。イリノイ州議事堂の内外に何体も石像や銅像が飾られていることから、奴隷制度を是認したダグラスの政治理念や政策論は19世紀後半のイリノイ州をはじめ米国市民から広く支持されていたということであろう。

■石材やシャンデリアは欧州各国から輸入、絢爛豪華なイリノイ州議事堂

 州議事堂でも30分毎にガイドツアーが組まれている。上院議会がある4階から順番に見
学してゆくとイリノイ州の歴史が各階に描かれた壁画や絵画で理解できるような仕組みに
なっている。

 ガイドの説明では19世紀後半にはイリノイ州は農業・鉱工業が発展した結果莫大な富が集積され議事堂建設には全米各地から最良の石材が集められ更に色鮮やかな大理石やシャンデリアなどが欧州各地から輸入された。19世紀後半に強大な大国として台頭してきた新興国家アメリカのすざましい熱気を感じた。

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