ゼロ成長とゼロ金利が特に地銀に厳しい理由を考える

ゼロ成長とゼロ金利が特に地銀に厳しい理由を考える

(iStock)

 ゼロ成長は、普通の企業にとってはプラスでもマイナスでもありませんが、地銀(信用金庫、信用組合等を含む、以下同様)にはマイナスに作用します。ゼロ金利も同様です。今回は、地銀のビジネスがゼロ成長とゼロ金利で苦悩している理由について考えてみましょう。

 ちなみに、本稿は銀行が「預金で集めた資金を用いて貸出を行ない、利鞘で稼ぐビジネス」を念頭に置いています。メガバンクは、それ以外のビジネスも多方面で展開しているので、とりあえず今回は地銀について記したものです。

■企業は成長しないと金が余る

 企業は、利益を稼いで配当し、残りは内部留保します。といっても現金を金庫に積んでおくわけではないので、これを銀行に返済します。これとは別に、減価償却分もキャッシュフロー上はプラスですから、銀行への融資返済に用いられます。

 企業の設備が老朽化すると、維持更新投資が行なわれますから、銀行からの借入が増えますが、企業規模が一定で維持更新投資だけを行なう場合には、減価償却に伴って返済された金額を再び借りるだけで充分ですから、利益の中から返済された分は、返済されたままです。

 成長している経済ならば、設備増強投資のための資金を企業が銀行から借りるので、銀行業界の融資残高は伸びて行くのですが、ゼロ成長経済だと、銀行業界の融資残高は減って行くのです。普通の会社は、ゼロ成長だと売上高も収入も利益も一定額で推移するのですが、地銀は違うのです。

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