本当に大事なことをシンプルな言葉で伝える|伊藤智彦監督

本当に大事なことをシンプルな言葉で伝える|伊藤智彦監督

伊藤智彦(いとう・ともひこ)氏:アニメーション監督。マッドハウスに入社し演出に。荒木哲郎監督の『DEATH NOTE』で監督助手、細田守監督の『時をかける少女』『サマーウォーズ』で助監督を務め、『世紀末オカルト学院』で監督デビューを果たした。最新作『劇場版 ソードアート・オンライン-オーディナル・スケール-』は国内興行収入25億円を超える大ヒットとなり、海外でも異例のヒットを記録している。そのほかの主な作品に『銀の匙 Silver Spoon(第1期)』『僕だけがいない街』などがある。

国内興行収入25億円を超える大ヒットとなった『劇場版 ソードアート・オンライン-オーディナル・スケール-』の伊藤智彦監督は、作品をつくる際に必ず“3本の柱”を立てると言います。本当に大事なことだけをできるだけシンプルな言葉で伝えるそのワケとは……?

伊藤:もちろんダメなものはダメなのですが、必要以上にダメと言わないようにするのは大事なことです。アニメの第1話は大体300〜400カットで出来てるんですが、「絶対にこうでなくてはいけない」というカットはそれほど多くないんです。大半は演出意図が伝わるものであればなんとかなる。

 そもそも上がってきたものを前に、あれこれ考えることが本来の演出の仕事だろうか、という気持ちがあります。


――それはどういうことでしょうか?

 演出の仕事というのは、ちゃんとプランニングを持って打ち合わせに臨み、各セクションから演出プランを外したものが上がってこないようにすることじゃないかと思うんです。


――演出プランをスタッフにうまく伝えることが第一の仕事である、ということですね。

伊藤:そうです。「こんな作品を作りたい」というイメージや想いはプロデューサーや脚本家も持っているので、そういった想いを現場に伝えるのが監督の役割です。プリプロダクションの段階での思いを100%とすると、それをいかに漏らさず現場のスタッフに伝えられるか、そこが勝負です。

 監督には情報伝達スキルが必要なんです。そこは言葉を尽くす監督もいれば、絵を描ける監督なら自分で描いて伝えることもありますね。

続きは WEDGE Infinity で

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