政治指導者の演説―安倍、トランプ、オバマ、クリントン

政治指導者の演説―安倍、トランプ、オバマ、クリントン

(iStock)

 今回のテーマは「政治指導者の演説―安倍、トランプ、オバマ、クリントン」です。演説の上手な政治指導者は、言語と動作、空間及びアイコンタクト(視線の一致)を含めた非言語を効果的に組み合わせてメッセージを発信します。

 本稿では、安倍晋三首相、ドナルド・トランプ大統領、バラク・オバマ前大統領並びにヒラリー・クリントン元国務長官を取り挙げ、それぞれの政治指導者の演説の特徴を言語及び非言語の両面から分析します(図表)。

■メッセージ性の高い安倍の演説

 2017年1月20日に行われた安倍首相の施政方針演説からみていきましょう。まず天皇陛下の公務負担削減について語った後、真珠湾で「全ての御霊(みたま)に、哀悼の誠を捧げた」と述べました。明らかに、保守派の支持層を意識したメッセージです。

 次に日米同盟にテーマを移し、かつて敵であった日本と米国が「和解の力」によって強い絆で結ばれたと強調します。日米同盟は紛争を起こしている国の模範になるというメッセージです。安倍首相は和解の力について米議会、広島平和記念公園及び真珠湾においても言及し、一貫性のあるメッセージを世界に発信しています。

 さらに、北朝鮮の核実験・ミサイル発射に対しては「断じて容認できない」と主張し、強いリーダーを演出しています。断固とした不容認の姿勢によって、保守層のみならず北朝鮮の挑発的行動に対して怒りや不安を抱いている幅広い層を取り込むことができます。

1 2 次へ

関連記事(外部サイト)