中西部の衰退とトランプ現象

 さらに5分ほど走ると高炉を備えた旧式の製鉄所があった。3基の高炉のうち1基しか稼働していないようだ。中国製鋼材との価格競争に敗れ、最低稼働率でなんとか操業を維持しようともがいているのであろう。

 この周辺でモーテルを探したが労務者の長期滞在用がほとんどだ。普通の旅行者も受け入れているモーテルもあったが部屋がボロボロで長逗留している様子の夜のご商売のオネエサンたちが昼間からウロウロしていて治安が悪そうなので断念。これがラストベルトの現実だと実感。

■元不動産屋のオヤジはトランプ支持

 4月19日(火)。テキサス州の田舎町Amarillo(スペイン語由来の地名で“黄色”を意味する)のモーテルでコーヒーとトーストの朝飯を食べていたら中高年の旅行者が話しかけてきた。彼は御年72歳、元不動産業者で現在はフロリダで暮らしている。別れた奥さんとの間に生まれた長女がテキサス南部の風光明媚な場所に住んでおり、長女一家を訪問する途上という。長女の住んでいる地域が実際に風光明媚で投資対象になるようであれば不動産を購入するとのこと。

 彼は珍しくトランプ支持を明言。4月6日にシカゴ出発以来トランプ支持者に遭遇したのは初めてだった。当時はまだトランプ氏は予備選挙の真っ最中で指名争いの渦中であった。私が出会った人々は概してトランプ氏については懐疑的であった。

 元不動産屋氏と話してトランプ氏がダークホース的立場から次第に支持を広げて有力候補になりつつある理由が理解できたように思った。

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