EU・中国の連携は「便宜上の結婚」

EU・中国の連携は「便宜上の結婚」

iStock.com/Alvinge

 6月6日付の米フォーリン・アフェアーズ誌ウェブサイト掲載の論説で、イタリアのアジア専門家であるカザリーニが、米英がEUから離れつつある中、中国がその空白に割って入り、EUとの関係を強化する方向にある、と述べています。論説の要旨は以下の通りです。 

 トランプが西側同盟国を疎外し、英国がEU離脱を進める中、中国は静かに西側諸国に手を伸ばしている。6月1-2日のEU・中国首脳会議では、地球温暖化防止のために新しい緑の同盟を締結した。世界政治における新たな中・EU関係が始まっているのかもしれない。

 その1つの分野が通貨である。中国は、外貨準備の3分の1以上をユーロで、2分の1以上をドルで保有しているが、1999年以来ドルの保有は30%減少している。ドルからユーロへの移行傾向は、今後も継続すると見られている。

 欧州は、これまでにも中国の金融に関する野心の多くを支えてきた。2015年12月には、特別引出権(SDR)の通貨バスケットに人民元を含めるIMFの決議を全会一致で支持した。今や、EUと中国の間の貿易は米中間のそれに匹敵し、中国にとって欧州は米国以上の対外投資先だ。

 他方、欧州議会やいくつかのEU加盟国からは、中国には相互主義が欠けているとの批判もある。中国では、銀行や金融の開放が限定的であり、国内市場に対する外国からの投資に制限がある。欧州委員会は、中国の鉄鋼輸出が欧州の多数の雇用を危険に晒して鉄鋼部門を傷つけている、と主張している。

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