「商圏は自分たちで作れる」都電沿線から生まれる新しい地域活性化

「商圏は自分たちで作れる」都電沿線から生まれる新しい地域活性化

「商圏は自分たちで作れる」都電沿線から生まれる新しい地域活性化の画像

 東京・早稲田で食料品店を営む安井浩和さんは、商店主だけではなく早稲田のまちづくりに関わるさまざまな顔をもつ。そのひとつが都電荒川線・早稲田駅の周辺と新目白通りに連なる「早稲田大隈商店会」の役員という立場だ。

 「シャッター通り商店街」という言葉が示す通り、地方であろうが大都市圏であろうが商店街の置かれた状況は厳しい。スーパーやショッピングセンターに顧客が流れるだけでなく、ネット通販の拡大で交通事情に左右されない「見えない商圏」が地域の上に覆いかぶさっている。

 地域再生の象徴として、全国の商店街に投じられる振興予算は小さくない。ある商店街では、店主たちの写真にユニークなキャッチコピーを付けたPRポスターが全国的に話題になったこともあったが、どれだけ話題になったところで各地から商店街に客が押し寄せるわけではない。あくまでも徒歩や自転車で来られる範囲が商店街にとっての「商圏」であり、補助金付きのイメージ戦略やブランディングでそれを拡大することは難しいだろう。

 ところが安井さんはいたって明るい口調で、「商圏は自分たちで作れる」と言い切る。その自信はどこから来るのだろうか――。

■「この街みんなであんたのオムツを替えたんだ」

 安井さんが営む「こだわり商店」は、安井さん自らが各地を巡って味わったものだけを並べる、約15坪ほどの食料品店だ。地方のスーパーや道の駅で数万円分も買い、あぜんとした店長からあれやこれやと情報を聞き出す。

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